「こんにちは。星空です。人気投票もいよいよ佳境に入ってきました」
「全国の非公式新聞部員が、毎日投票してくれて嬉しいのだ」
「それは問題ないけれど礼奈さん、投票システムの改造とか、ズルしちゃダメよ」
「わかっているのだ。ぐりぐりされるのはイヤだからおとなしくしてるのだ」
「えー今日は、これまでみなさんから頂いた票の動きを振り返ってみたいと――」
「き〜〜〜〜〜っ! ちょっと星空さん!」
「あ、リサさん。どうしたんですか?」
「どうしたもこうしたもありませんわ! これを見て下さいな」
「これは……人気投票の中間発表なのだ」
「どうしてこの私と、いおりさんとの間にこんなに差があるんですの!?」
「それはそのまんま人気の差ではないかと……」
「なんですって〜〜〜っ。この私がいおりさんより劣っているとでもおっしゃいますの!?」
「そこまで言ってないですけど……」
「これはきっと、いおりさんが男性をたぶらかして騙し取った票に決まっていますわ!」
「騙したかどうかは別として、人気投票としては正しい気がしますが……」
「相手は初音島のアイドルだから、仕方がないのだ」
「……ふんっ。だいたい星空さん。あなただってそんなに呑気にしていていいんですの?」
「え? どういうことですか?」
「順位が低いのだ。主人公のクセに」
「うぐっ!?」
「そーですわ。だいたい、男の和樹さんのほうが順位が上ってどういうことですの?」
「それはまあ……予想外でしたね」
「そういえば、リサリサは一時期ぬいぐるみにも負けていたのだ」
「〜〜〜〜ッ! 思い出させないでくださいな!」
「まあ落ち着いてくださいリサさん。これはあくまで発売前の投票ですから。 ゲーム本編で大活躍のリサさんなら、すぐに1位になれますよ」
「そ、そうですわね! まだゲームは発売していないんでしたわ。 確かに、かの有名な貴族、リヒトホーフェン家の息女たるこの私が――」
「きららん、確か人気投票は発売日の18時までのは―― もががっ!?」
「(しーっ!)」
「――というわけですので、私がいおりさんに負ける道理などありませんわね。おほほほほほ」
「そ、そうですそうです。あ、あはははは……」
「きららんの顔がひきつっているのだ」
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